とえるの備忘録

なんかいろいろ投げます。雑記とかデッキレシピとか

(番外編) クリスマスに寄せて〜男児の好むプレゼントへの考察

お久しぶりです。

本当はヴァンガードの記事を書くブログなんですが、今回は番外編ということで違うことを書きます。

基本的に当ブログのアクセス方法は僕のTwitter経由しかありえないので、僕の性癖とかはみなさんご存知かと思います。ヴァンガードの記事ではないですが気合の入った文章になりますので、僕の書いた文章を読みたい人は暇つぶしにどうぞ。

 

 

adventar.org

 

ということで、こんな企画があったので面白そうなので参加してみました。企画を開催していただいた田中太郎さん、ありがとうございます。

冬コミの原稿は終わってるやろwとか思いながら参加したら全然終わってないので書いてる場合か?とか思ったんですが、まぁ多分間に合わないので書いても書かなくても同じです。僕は書きたいので書きます。

 

 

クリスマスですね。

世間には陽の者たちの幸せオーラが蔓延し、陰キャはうっかり吸って窒息しないように身を屈め頭を低くして生きていかざるを得ない季節です。しかし幸せオーラを摂取して窒息するタイプの気合の入った人類はごく一部ですので、社会は概ね好意的な空気でこのイベントを迎えることになります。

 

しかしこの季節を一番楽しみにしている存在は、なんといっても子供たちでしょう。一般的な家庭で育つ子供たちにおいて、クリスマスというイベントは、両親から奢侈品を無償で貰うことができる、貴重なイベントな訳です。

当然彼らは標準を合わせてきます。後ろには正月のお年玉というビッグイベントも控えているわけですが、そこで得た資金は両親に回収されてしまうリスクを孕んでいるため、可処分所得の増加が見込めるか怪しい部分もあります。そのためクリスマスは、誕生日と合わせ、普段は家計の意思決定に干渉できない子供が、(対象が奢侈財に限定されるものの)自身を主体として財を購入できる、非常に貴重な機会であるわけです。

ミクロ経済学では、消費者は財やサービスを購入する際、自身の効用を最大化するような消費行動を選択するとされています。消費の主体が子供であってもそれが変わらないと仮定すれば、クリスマスの時期に子供たちに選好される商品は、子供たちの効用を最大化させる商品であると言えます。ここでの「効用」とは一体何なのか?という問題がありますが、選択される商品の性質を考えれば、「娯楽=楽しさ」と定義しておけば間違いはなさそうです。

すなわち、クリスマスプレゼントの選好を調査することは、今の子供たちが何を「楽しい」と感じているのかを予測することが出来るわけです。簡単に言うと「クリスマスプレゼントの内容を見れば子供がどんな遊びに夢中になってるかわかるよね~」ってことになります。当たり前だバカ!!

まぁ、当たり前のことを当たり前に行うことにも意味はあるでしょう。それではさっそくデータを基に子供たちの選好を探っていきます。

 

 今回データの抽出に使ったのは、「トイザらス オンラインストア」です。Amazonをはじめとして、ホビーを取り扱った通販サイトは他にもありましたが、サイトの性質上購買層を極端に絞れる点を考慮し、メインのデータソースとしました。(その他通販サイトも確認はしています)

 

週間売り上げの他、商品一覧のソートを「売り上げ順」に指定し、商品の発売時期と位置から逆算してクリスマスプレゼントとして選択されているであろう商品も紹介していきます。

それではさっそく紹介していきましょう。

 

大乱闘スマッシュブラザーズ SPECIAL

週間ランキングで一位を獲得しており、その他の通販サイトのホビー部門でも、常に高い順位に位置している商品です。

国内随一のゲームメーカー・任天堂キラータイトルであり、国内販売数はこのまま行けばダブルミリオンに届くかというほどの売れ行きを見せています。最近の任天堂は、人気タイトルのターゲットを子供に絞るだけでなく、過去作を遊んで長じた大人たちを固定化できるようなマーケティング戦略をとっているきらいがありますが、ここまでの母数を確保できれば、メインターゲットである子供からの人気たちの人気は疑いようがありません。

このタイトルのコンセプトを一言で表すなら、「1対1だけではなく、他対他で対戦できるお祭り格闘ゲーム」です。

ここで重要なのは、このゲームが「格闘ゲーム」であるという点です。1対1にしろ他対他にしろ、格闘ゲームというのは、その終着点に「ゲームを通じた他者とのコミュニケーション」が目的として存在します。もちろん一人向けでプレイするモードもあるでしょうが、それらは人と対戦するための練習としての意味合いが強いでしょう。

「ゲームを最大限に楽しむために、必ず他者を必要とする」という格闘ゲームの本質から鑑みるに、このゲームをプレゼントとして選択した子供たちは、「ゲームを通じたコミュニケーション」を求めていると推測できます。僕個人の体験談で恐縮ですが、スマブラを持っている友達の家には毎日のように遊びに行きましたし、みんなで遊ぶために親にスマブラをねだったこともあるので、この推測はおそらく正しいです。

世の子供たちは、学校という集団の中でその生活の大部分を過ごさなければならず、必然的に他者とのコミュニケーションを要求されます。社会生活との折り合いという点を考えると、多人数でのコミュニケーションを取ることが可能なこのゲームが選ばれるのは、半ば必然なのかもしれません。

 

仮面ライダー系グッズ

スマブラのすぐ下に位置している商品群であり、複数ランクインしていることからも根強い人気を感じさせます。(同じニチアサ枠の戦隊モノ系グッズも人気のようでした)

対象年齢から鑑みるに、僕のストライクゾーンよりやや下の年齢層が好む商品のため若干テンションが下がっていますが、ここからも読み取れるものはあります。それはすなわち、男子の胸に宿る「ヒーロー願望」です。

悪と闘い平和を守る正義のヒーロー(仮面ライダーはこうしたステロタイプから逸脱している場合もありますが…)というのは、そのコンテンツの息の長さから分かる通り、男子の永遠の憧れとも言えます。そうしたヒーローに自分を仮託するためのこの商品は、「憧れの充足=ロールプレイング」を目的としている商品と言えるでしょう。

と、どうでもいい本題に適当に結論をつけて、話したい話をします。

ショタコンがこの商品が選ばれていることの意味を語る上で、一番重要なのは上記のような薄っぺらい考察ではありません。一番大事なのは、ヒーローへの憧れから発露する「ヤラレ願望」です。

ヒーローがピンチに陥ったり、悪役に痛めつけられている様を見て興奮するという性癖は、大抵ニチアサ枠の戦隊ものなんかを見ることで目覚めます(体験談)。

三者の視点でヒーローがヤラレるのを見て興奮するだけで済むならかわいいもので、さらに拗れると「自らをヒーローに仮託した上で悪役に蹂躙されることに興奮を感じる」というところまでたどり着いてしまいます。少ないながらも確かに観測される現象ですので、おそらく世の中には「ヒーローベルトを巻いてヒーローを演じながら、悪役に倒されることに興奮する少年」が確かに存在するはずです。この世はでっかい宝島とはよく言ったものです。

 

書いていてあまりにも糞マジメで面白くなかったため、面白いことを書こうと多少脱線してしまいました。次に行きましょう。

 

ベイブレード

トイザらスの週間ランキングには掲載されていないものの、「キャラクタートイ」で売り上げ順でソートした際、12月29日発売予定の商品が在庫切れ+売り上げ上位に来るため、紹介させていただきます。

ベイブレードと言えば我々の業界でも「主人公にめっちゃ彼氏面してくるイケメンの幼馴染がいる」ことで有名ですが、世間一般においても、男児向けホビーとして非常に堅調な人気を持っているようです。(Amazonのホビー売り上げランキングにも上位に食い込んでいました。)

ランキングには掲載されていないこのコンテンツをあえて紹介したのは、タカラトミーの決算報告資料から見ても売り上げが快調であり、クリスマス商戦にも絡んでくることが予測されるというのももちろんありますが、先述した二つのコンテンツの要素の「いいとこどり」をしたコンテンツだからです。

コマをぶつけて遊ぶわけですから、当然他人と競わないとその楽しさを十全に体感できません。そこまではスマブラと同じなのですが、ベイブレードの場合はアニメでキャラクターが使用するのと同じ玩具を使えるというところがミソです。

登場する個性豊かなキャラクターの中から、自分が好きなキャラクターと同じベイを購入し、そのキャラに「なりきる」ことで楽しむ。……これは当然、商品展開をする上でメーカーも織り込み済みの遊び方でしょう。そしてそうしたプレイスタイルは、人気商品である仮面ライダー系グッズと同じく、「ロールプレイング」の要素を内包しているわけです。

それこそが、上記で述べた「いいとこどり」の本質です。コミュニケーション+ロールプレイングという、本稿で考察した人気ホビーの要素を両立させているのが、ベイブレードというコンテンツなのです。そりゃ人気も出るわなといった感じです。

トイザらスの直近のランキングに乗っていないのは、発売時期もそうですが、関連商品の価格帯が他と比べて廉価なため、価格の弾力性を考慮しないクリスマスというイベントと相性が良くないことが要因として考えられると思います。通年での売り上げはホビーの中ではトップクラスなのではないでしょうか。

これ以上書くとタカラトミーの回し者と勘違いされそうなので、逆説的ではありますが、スマブラと変身ベルトが人気なら、いいとこどりなベイブレードが人気じゃないわけないじゃん、という雑な結論を置いて締めさせていただきます。

 

いかかでしたでしょうか。

調査の時間が足らず、3つの例しか挙げられませんでした。力不足で申し訳ないです。

サンプルが少なすぎて論拠に乏しいものの、ミクロな体験も加味した上で、「コミュニケーション」と「ロールプレイング」が子供が求めている娯楽の本質である、という結論には、そう外れていないのではないかという自信はあります。トイザらスの商品とにらめっこしながら傾向を探っていく作業は(原稿が終わっていないという事実を脇に置けば)なかなか楽しかったので、気になった方はこれを叩き台にしてさらに深い考察を試みるのもいいかもしれません。長々とお付き合いいただき、ありがとうございました。

 

 

最後に宣伝させてもらっていいですか?

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いやめっちゃ可愛くない????????

なぜもっと早くに超ゼツを履修しなかったのかと己の浅薄を呪うしかないです。褐色+野生児+CV田村睦心というショタコン確殺国士無双を並べられてしまったら潔く腹を切るしかありません。

知ってしまった以上泥沼に沈むのは覚悟の上ですが、自分だけでは寂しいので一人でも多くのコンの者の足首を掴んで心中してもらおうと思います。お前ら覚悟しとけ。

 

これで本当に終わりです。ありがとうございました。